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August 17, 2009

分権、道州制の議論の前に「住民自治」の拡充を!

住民自治なしの分権、道州制議論に、あまりにも危惧したので書きました。


「地方分権」が注目されてきている。

しかし、この分権は、あくまで国から地方への官から官への分権であり、

本当に必要なのは、官から民への分権だ。

分権という人の言葉の中に、「住民自治」という言葉が全く出てこない。

道州制、というけれど、

もっと、道州制の在り方も、正確に、議論すべきだ。

官民分権なしに、官々分権のみ。

ここにも「住民自治」の言葉はない。


これでは、中央集権の地方への分散ということになりかねない。


たとえば、州と市が対等になっていなくて、へたしたら、州知事の権限が絶大になり

市は州に従わなかったら金を出さないとか、成績を発表しろ、などということもありえる(?)

中央集権よりもタチの悪いものになってしまうかもしれない。


住民自治の実体化なしに道州制?

それはかえって、国の機関がすぐそばに来るだけになるのではないか?


2000年、地方分権推進委員会が解散するに当たって出した「残された課題」の中には

住民自治の拡充方策、地方自治の本旨の具体化が挙げられているが、

もう10年近くなろうというのに、いまだに、何一つ課題は解決されていない。

残された課題とは

<地方分権推進委員会が解散するにあたって出した今後の課題>
1地方財政秩序の再構築
2地方公共団体の事務に関する法令による義務づけ・枠づけ等の緩和
3地方分権や市町村の合併の推進を踏まえた新たな地方自治の仕組みに関する検討
4事務事業の移譲
5制度規制の緩和と住民自治の拡充方策
6「地方自治の本旨」の具体化

今1のあたりを議論しているんですね。まだ。
5のところに、「住民自治の拡充方策」
6に「地方自治の本旨」の具体化 がでてきます。

2000年に解散するときの残された課題ですから、すでに10年近く経過しているのに、まだこんな状態sad


分権、道州制について、あまりにも市民が無関心で

自治体もあてにしない、という状況。


地方自治の本旨(憲法第8章 92条)とは、

団体自治(地方公共団体)と住民自治の対等協力関係

ということは、すでに定説であるが、

住民自治の実体は・・「あってなき」もの。
(執行機関の行政委員会は、住民自治として機能していないし、地方ごとに必要な行政委員会は条例で設置できない)

一方の団体自治のみで地方自治を行っている。(団体自治の執行機関は市町村長、都道府県知事)

市民が、その団体自治もあてにできないというのでは、ひどすぎる。。困る。。


道州制に頼っている、しかも、正しい知識(法に基づいた)にのっとった議論が、できていない。

そんな無関心、オマカセで、私たちの暮らしがよくなるはずは絶対ない。


奈良県橿原市では、地域福祉計画策定を通じ、

新しい法の理念を真剣に読み込んで、

市民参加で計画策定=住民による地域づくり=住民自治の実現をめざすことであり、

それをすべての人の手で、ノーマライゼーションの理念で、ということだったのだと、リーダー全員が理解し、

遠い目標に住民自治の実現を描いて第一歩を踏み出すことができた。

市の部長さんをして、「これは市民革命だ!」と言われ、

今の法制度を使って、どこまでやれるかのチャレンジをしている。

市全体でこういう理想像を描き、団体自治との対等協力関係をめざして動たという事例は全国的にないという声を最近聞くようになった。

今の法制度を知り、せっかく使える制度があるのだったら、まずそれを使ってどこまでできるのかをやってみる。

その経験から出た問題点を課題に整理し、新たな制度に向けて議論する、というプロセスが必要だと思う。

道州制の前段階でできることもいっぱいあるのだ。

学者さんも指摘しておられるが、地方自治、住民自治は住民が動かないと、どうにもならない。


市民主導、というけれど、もちろん市民活動が活発でなければ、社会に無関心ではどうにもならないが

地方自治とは、そもそも団体自治と住民自治が対等協力な関係で行うもの。

あちこちで自治に向けた動きはあるが、市民だけでやっていても、住民自治にはなかなか結びつかない。

住民自治が合議性で身近な課題を解決するための権限を持ち、その予算も議会のチェックを経て行えるようになってはじめて

行政のスリム化が図れるのだ。

官=悪、とかいうが、住民自治の実体化なしに、なんでも切り捨てる、という単純な発想はいかがなものだろう。


地道に、しかし着々と、法律を学び、実践する、これに尽きるような気がする。

それを市民勝手に、というのではなく、団体自治と協力関係で行っていくことが大事だが、

行政マンの質がここで問われてくる。

実は、こういった地方自治の本旨をめざした取組は、行政が相当動かないと実現できないのだ。

また、意識として、市民にはむずかしいことはわからないだろうから、法律なんか知らせないでよい、

という考えを一掃すべきということ。


いろいろ学べば、わかる。

行政がどのようなしくみで動いているのか、

そういったことを、知るのが大事だ。


橿原市のリーダーたちは、「自治小六法」を読んで常に勉強しているのだ。

でも、今の若い人たちは、中学校で「公民」という教科があり、勉強している。

大人たちが教育を受けていないから、ぴんとこないんじゃないか。

話はそれるが、この図式の中で、ソーシャルビジネス、地域経営といったことをコーディネートできる人材が生きていいけるように

劣悪な労働条件にならないように、、、

そういうことも、訴えていきたいと思う。

地域の疲弊、農業の未来も暗澹とし、福祉政策も何もかも失敗だらけ、、

少子高齢、人口減

そのような中で、増大する社会課題に、自らビジネス手法で解決するという、ソーシャルビジネスが注目されてきているが、

そもそも政策の失敗で次々と問題が噴出している状況をなんとかしなければならないと思う。

これはまた別のトピックで。


ともあれ、「分権」という言葉が、ブームになっている今、改めて考えるチャンスかもしれない。

官から民への分権、

住民自治の実体化

について、誰か、意見を言う政治家やコメンテーターはいないのだろうか。

そいういう政策を掲げる党がないというのは、いったいどういうことなのだろうか。

情けないことだ。


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